クリティカルシンキングプロンプト:自分の考えの欠点をAIに指摘してもらう

「良いアイデアを思いついた!」と高揚している時ほど、冷静な視点が欠けているものです。しかし、同僚や上司にいきなり批判されると、感情的に反発してしまうこともあります。

そんな時こそ、AIに「意地悪なレビュアー」になってもらいましょう。感情を持たないAIからの冷静な指摘は、自分のアイデアの穴を見つけ、ブラッシュアップするための最高の材料になります。

今回は、思考を深めるための「クリティカルシンキング(批判的思考)プロンプト」の型を紹介します。

プロンプトの基本構造

単に「感想を教えて」と聞くと、AIは「素晴らしいアイデアですね!」とお世辞を言いがちです(アライメント調整の影響です)。そこで、役割(Role)と制約(Constraint)を明確に指定します。

ステップ1:Devil’s Advocate(悪魔の代弁者)

# Role
あなたは論理的で批判的な思考を持つコンサルタントです。
私の提案に対して、あえて反対の立場(Devil's Advocate)を取り、論理的な欠陥、実現可能性のリスク、考慮不足の点を厳しく指摘してください。

# Review Points
1. 前提条件の誤りはないか?
2. 代替案の方が優れていないか?
3. 最悪のシナリオ(Worst Case)はどうなるか?

# My Proposal
(ここに自分のアイデアを入力)

これにより、AIは「敵」の視点から攻撃してきます。それに答えられなければ、そのアイデアはまだ未熟だということです。

ステップ2:Pre-mortem(死亡前死因分析)

プロジェクトが失敗したと仮定して、その原因を探る手法です。

# Scenario
今はプロジェクト開始から1年後です。残念ながら、このプロジェクトは大失敗に終わりました。
なぜ失敗したのか?想定される「死因」を5つ、具体的に列挙してください。

# Project Details
(プロジェクトの詳細)

未来の失敗をシミュレーションすることで、現在打つべき予防策が見えてきます。

ステップ3:6 Thinking Hats(6つの帽子)

エドワード・デ・ボノが提唱した思考法をAIにシミュレートさせます。

以下の6つの視点(帽子)を順番に切り替えながら、私のアイデアを評価してください。

1. 白い帽子(客観的な事実・データ)
2. 赤い帽子(感情・直感)
3. 黒い帽子(警戒・リスク)
4. 黄色い帽子(利益・希望)
5. 緑の帽子(創造性・新しい視点)
6. 青い帽子(プロセス管理・結論)

活用事例:プレゼン資料の壁打ち

プレゼン資料の構成案を入力し、「論理の飛躍はないか?聞き手が疑問に思うポイントはどこか?」と問いかけることで、聴衆からの鋭い質問(Q&A)を事前にシミュレーションできます。

結論:AIと喧嘩しよう

AIに「Yes」と言わせるのは簡単です。しかし、本当に価値があるのはAIからの「No」です。

あなたの思考に対して、AIが反論し、あなたが再反論する。このディスカッションのプロセスこそが、独りよがりな思い込みを打破し、洗練されたアウトプットを生み出す近道なのです。