動画生成AI(Sora, Veo)をWebアプリに組み込むための基礎知識
2024年のSoraの発表は、AI業界にとって「ChatGPTモーメント」の再来でした。そして2026年現在、動画生成AIはAPIを通じて誰もが利用できるツールとなっています。
Webアプリ開発者として、この強力な機能をどうプロダクトに組み込むべきか。技術的な実装ポイントを解説します。
APIの基本構造
動画生成は計算コストが高く、時間がかかります。そのため、APIは基本的に**非同期型(Asynchronous)**で設計されています。
- Jobの投稿:
POST /v1/videos/generationsにプロンプトと設定(アスペクト比、尺)を送信。 - Job IDの受け取り: 即座にIDが返ってくる。
- ポーリング / Webhook:
GET /v1/jobs/{job_id}でステータスを確認するか、完了通知を受け取るWebhookを設定する。 - ダウンロード: 動画(MP4)のURLが発行されるのでダウンロードする。
// 非同期処理の擬似コード
const job = await client.createVideo({ prompt: "A cyberpunk cat walking in Tokyo" });
let status = "pending";
while (status !== "completed") {
await sleep(5000);
status = await client.getJobStatus(job.id);
}
console.log("Video URL:", status.url);
リアリティと制御のトレードオフ
動画生成AIには大きく2つの派閥があります。
- 拡散モデル(Diffusion Models): SoraやStable Video Diffusion。圧倒的にリアルで芸術的だが、細かい動きの指定(「右手を上げて」など)は苦手。
- プロシージャル制御併用: 3Dエンジンの情報をControlNetなどで入力するもの。画質は劣るが、キャラクターの動きを正確に制御できる。
アプリの用途が「雰囲気動画」なのか「説明動画」なのかによって、モデルを選定する必要があります。
コストとレイテンシの壁
動画生成は高価です。
- 単価: 5秒の動画生成で数十円〜数百円かかることも珍しくありません。無制限にユーザーに使わせると破産します。クレジット制(Credit System)の導入が必須です。
- 生成時間: 短い動画でも数分かかります。プログレスバーを表示したり、「完了したらメールで通知」といったUX上の工夫が求められます。
結論:権利関係は未だグレー
生成された動画に、著作権で保護されたキャラクターが映り込んでしまったら?ディープフェイクとして悪用されたら?
プラットフォーム側(OpenAIやGoogle)はフィルタリングを強化していますが、アプリ開発者としても利用規約で禁止事項を明記し、生成ログを保存しておく(監査証跡)などの自衛策が必要です。